車庫証明とは？
車庫証明とは？その役割と必要な理由
自動車を所有するうえで、意外と見落とされがちなのが「車庫証明（正式名称：自動車保管場所証明書）」の取得です。
新車・中古車を購入したり、名義変更を行う際に「車庫証明が必要です」と言われ、慌てて準備した経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、車庫証明の基本的な意味とその役割、なぜ必要とされているのかについて解説します。
■ 車庫証明とは？
車庫証明は、警察署が発行する公的証明書の一種で、「その車がどこに保管されるのか」を明らかにするものです。
この制度の目的は、無秩序な路上駐車を防ぎ、交通安全と都市環境を守ることにあります。
法律上の根拠は「道路交通法第63条の2」であり、普通自動車（軽自動車以外）を登録する際には、原則としてこの証明が必要になります。
つまり、ナンバーを取得する前に「保管場所が確保されている」ことを証明しなければならないという仕組みになっているのです。
■ なぜ必要なのか？
一見すると「わざわざ証明を取る必要があるの？」と感じる方もいるかもしれませんが、車庫証明には以下のような社会的役割があります。
1. 路上駐車の抑制
車庫がない状態で自動車を所有すれば、どうしても路上に駐車するしかなくなります。これが交通の妨げとなり、事故や渋滞の原因に。
車庫証明制度によって、一定の保管場所が確保されることで無秩序な駐車を防ぎ、交通秩序の維持に繋がります。
2. 犯罪防止
盗難車両の一時保管や、不正使用された車両の追跡の際、保管場所の情報が大きな手がかりとなります。
正確な車両管理ができることで、治安維持にも一役買っているのです。
3. 近隣トラブルの防止
住宅地などでは「見知らぬ車が停まっている」「他人の月極駐車場に勝手に車を止められた」などのトラブルが発生しやすいものです。
保管場所をあらかじめ警察署に届け出ておくことで、こうしたトラブルの発生も未然に防げます。
■ 軽自動車との違い
なお、軽自動車の場合は一部地域を除いて「車庫証明不要」とされています。
■ まとめ
車庫証明は、単なる事務手続きではなく、交通安全・防犯・生活環境の維持といった多面的な役割を果たしています。
そしてそれは「車を持つ責任」の一部でもあります。
新しく自動車を購入される方、引っ越しや名義変更などを予定されている方は、忘れずに準備を進めましょう。
スムーズに手続きを進めたい場合は、行政書士など専門家への相談も有効な選択肢です。
